Entries from 2017-12-01 to 1 month

最初の脳内出血 - 祈り

1994年10月末、前回の続き。 お医者さんの話では、お父さんは、左の脳内に出血を起こし、その大きさはピンポン玉くらいだという。幸い手術の可能な部位で、血腫の周りの部位がダメージを受ける前に手術で吸い取ったほうがいいという。開頭手術ではなく…

最初の脳内出血 - 嫌な予感

お父さんが最初に脳内出血を患ったのは、1994年10月のことだった。 その夏、留学から帰国後、アメリカ(というかアメリカにいたその時片思いだった人)が恋しくて、とんぼ返りでアメリカに旅行しに行った私は、思いっきりフラれて、ロサンゼルスから日…

色眼鏡をはずしたら

今回の仙台滞在では、日の出は大体6時半ちょっと過ぎだった。ホテルの窓は東向きだったので、ほぼ毎朝、朝日を見ながら起きていた。 (窓の反射で太陽がみっつくらいあるように見えるのは、ご愛嬌・・・右の大きいのが本当の太陽です) 日の出前に窓の外を…

空きスペース

この20年近く、お父さんに万が一のことがあってもいつでも飛行機で飛んでいけるように、常に心とモノの準備をしていた。パスポートや日本円用のお財布、処方箋薬や洗面用具などは普段からまとめてあって、電話の設定や荷造りもすぐできるようにしていた。 で…

トシキくん

火葬の次の日は、お父さんの「偲ぶ会」だった。会の終了後、葬儀屋さんでのいろいろもすべて無事終え、少しだけホッとしてホテルに帰る途中のことだった。 最寄りの地下鉄の駅の横にある、以前お世話になってた教会の前を通りかかった。小学校低学年くらいの…

肩透かし

お父さんにはなにやらちょこちょことものを送っていた。大したものではないけれど、着るものや食べ物なんかを。 派手な色、特に赤やオレンジが好きだったので、何かしら見つけると、クリスマスや誕生日などに送った。シャツやセーター、ベストなんかを送った…

のどぼとけ品評会

私は喪主になるのも初めてだし、人を火葬場に送るというのも初めてだった。 だからなのか、もう20年日本に住んでなくて日本式の火葬に馴染みがないからなのか、お骨を拾うとかいうことがどうも怖かった。怖いというか、得体が知れないというか。 お父さん…

励まさないでください

ちょうど2週間前が火葬の日だった。 おかしなもので、当日は忙しくて考える暇もなかったことが頭にポコポコ浮かんでくる。 あの1時間程の間に、お父さんの肉体は、炉の中で灰になった。当日はお別れに来てくださった方々とお話ししていて、その具体的なプロ…

「胸に意識をおいて」

やっぱりなんでも時間がかかるものなのだ。 お父さんが亡くなって、明日の朝でちょうど2週間になる。 やっと先週土曜日に自宅に戻ってきて、ちょっとホッとしたら、そこからは自分の内側がどういうことになっているかに目を向けることになってしまった。忙し…